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高野豆腐の作り方

高野豆腐

高野豆腐は、硬く水切りした豆腐を適当な大きさに切って、寒い外に置いて冷凍させます。夜に固めた豆腐は日中に溶け、水分が蒸発していきます。冷凍と蒸発を繰り返し、完全に水分を抜きます。こうして出来上がった物が高野豆腐です。

高野豆腐


材料

大豆(国産) 300g
2800cc
にがり  15~20cc

《必要なもの》
・豆乳を煮る為の大きめの鍋とそれを絞るためのさらし(布)。
・豆腐の型を取るための型枠。
・型枠に敷き詰めるさらし(布)。
・冷凍した豆腐を乾燥させるため、縛って吊るすための紙紐。

【関連リンク】
大豆のレシピ
乾物のレシピ



水はミネラルウォーターなどのおいしい水を使うことをお勧めします。
にがりは、メーカーや商品によって濃度がまちまちですので正確に使用量を記載できませんが、我が家で使っているにがりは、原液タイプで、100ccあたりの成分表示がマグネシウム4600mg、ナトリウム2900mg、カリウム3600mgのものです。今回はこのにがりを20cc使用しました。豆乳の状態を見ながら混ぜましたので最後に少しだけ余しましたので実質17~18mlぐらいの使用量になっていると思います。

高野豆腐の作り方

高野豆腐用の豆腐は木綿豆腐を使いますが、普通より硬く作りたいので途中ちょっとだけ工程が違います。
カップ6杯分1200mlの水に大豆を浸します。十分に大豆に水を含ませるための時間は、季節によって異なりますが夏場で12時間、冬場は24時間が目安になりますが、漬け込みの時間はあくまでも目安の時間ですので、実際には大豆の状態で判断します。
水を吸って膨らんだ大豆を指で縦に割ってみて割れた表面が平らになっていればOKだそうです。左の写真の大豆はまだ十分に水を含んではいませんので、まだ数時間、水にさらします。
十分に水を含んだ状態の大豆です。
十分に水を含んだ大豆をミキサーにかけます。このとき漬けこみに使った水も一緒に使います。
使用するミキサーの大きさにもよると思いますが、3~4回に分けてしっかりとすりつぶします。(2分くらい)
豆腐を作った後に残ったものがおからです。

生呉(なまご)を作る

全部すりつぶした状態です。この状態の物を生呉(なまご)というそうです。火を通した大豆はとても体に良いと聞きますが、生の大豆は食べるとお腹を壊すので味見はもう少し後で・・

煮る

1600mlの水を鍋で煮立てたら、そこに生呉を全部入れます。とても焦げやすいので木のへらなどで底から常にかき混ぜながら煮ます。
かなりの泡が立ちますので火加減に注意しながらふきこぼれない様に約10分間煮込みます。しっとりしていた泡が粗いさらさらした泡に変わると豆乳のとても良いにおいがしてきます。
煮込んだ後は火を止めて泡をすくって捨てます。
煮あがった呉はこし布で絞ります。しぼりだした物が豆乳で、布の中にのこった物がおからです。
かなり熱いのでやけどをしないように気をつけて、へらなどを使ってきっちりと絞ります。手で触れる程度まで冷ましてから絞ってもかまいません。
豆腐作りの型を準備します。
型の中に布を敷きます。このとき、水で布を湿らせて型に張り付くようにし形を整えておきます。普通の豆腐として食べる場合は型にこだわりませんが、四角い高野豆腐を作りたいので市販の木綿豆腐の型を使っています。

にがりの準備
20mlのにがりを50mlのぬるま湯に溶かしてよくかき混ぜておきます。

我が家で使っているにがりは、原液タイプで、100mlあたりの成分表示がマグネシウム4600mg、ナトリウム2900mg、カリウム3600mgのものです。
一口ににがりといってもかなりの種類が有り、濃度もまちまちで、マグネシウムの量が4000ml~6000ml前後と物によってはかなり違いが有ります。 自分の使用するにがりの濃度によって使う量も変わってきますので、使用する量を決めるには多少の経験が必要になります。
一般的に豆乳1000mlに対し、原液タイプのにがり10ml(1%)が目安になるそうです。

ちなみに我が家の近所のスーパーでは原液タイプのにがりを販売していたのが、7店舗中1店舗しか有りませんでした。
健康食品として濃度の薄い(五分の一程度、マグネシウム950ml、ナトリウム330mlのものでした)商品はどの店でもありました。濃度が薄くても量を たくさん使えば豆腐は固まりましたので、原液タイプのにがりを探せない場合はこれでも大丈夫です。

仕上げ

搾り出した豆乳を75℃まで温めなおします。豆腐つくりでは温度計は必須です。
温度75℃で準備しておいたにがりを豆乳をかき混ぜながら3分の2程度入れます。
残りのにがりを豆乳の状態を見ながらゆっくりかき混ぜながら入れていきます。写真の様に黄色っぽい透き通った上澄み部分が出来始めたらにがりを入れるのを止めます。そのまま、コンロの火を止めて鍋にふたをして15分放置します。温度が低くても分離しませんので、温度管理も重要です。
15分後、豆腐の部分と上澄みの部分とに分かれていますので、上澄みをおたまですくい取ります。この上澄みが本当おいしいので是非飲んでみてください。通常の木綿豆腐はこの後、型に入れますが、高野豆腐用の豆腐の場合は硬めに仕上げたいので、なべの中身を木べらなどで良くかき混ぜます。
かき混ぜた後の写真です。いったん固まった豆腐が粉々になっているのがわかると思います。
型に流し込みます。
重めの重りを乗せて、20~30分放置して豆腐の完成です。
布に包んだ状態で水に入れ、水の中で布をとります。そのまま、30分くらい水に漬けておくと余分なにがりが溶け出すそうです。あまり長い時間水につけておくと豆腐のうまみまで水に溶け出してしいまい、味気ない豆腐になってしまいます。
水から取り出した豆腐を布巾などの上で、今度は水抜きします。(1~2時間ぐらい)
置いておくだけで自分の重みで水分は流れ出てきます。
1センチぐらいの厚さに切り分けてバット等に並べて冷凍庫で冷凍します。氷点下5度以下になる地域では、夜間に外においてもいいと思います。と言うか、本来はそうやって作っていました。
しっかりと冷凍されてあめ色になっています。凍り豆腐としてはここで完成です。
今回はあくまでも乾物としての高野豆腐が目的ですので、次に乾燥の工程に入ります。
紙紐を二重にして使います。藁がある人は藁の方が豆腐を縛りやすいと思います。
二重にした紙紐で凍った豆腐を一枚ずつ交互に挟み込んでいきます。
あまりたくさんぶら下げると重みで上のほうの豆腐が千切れそうになるので5~6枚ぐらいが良いかと思います。
完全に水分か抜けるまで、屋外に吊るして風に当てます。
天候にもよりますが7日から10日間で完成します。水分が抜けるとカチンとした硬い高野豆腐になります。

完成

利用する場合は水で戻してから使います。
味噌汁の具として使いました。

市販の木綿豆腐を利用しても作ることが出来ますが、どうしても仕上がりのきめは粗いものになります。好みの問題で、目が粗いほうが好きという人もいますので、どちらが良いかということはいえませんが、今回は乾物として市販されているような高野豆腐も目標に作りましたので、木綿豆腐つくりからはじめました。

冷凍した豆腐はそのまま保存することも可能で、食べるときに解凍すれば立派に高野豆腐として同じ食感で食べられます。
ちなみにこちらが市販の木綿豆腐で作った高野豆腐です。味はとっても良いのですが、どうしてもスーパーで市販されている高野豆腐のようにきめが細かいものにはなりません。

屋外で乾物になるまで乾燥させるのは冬の空気が乾燥した時期にしか出来ません。なので、夏場などに作りたい場合は、冷凍させるところまでになると思います。冷凍させただけのものでも十分高野豆腐とほぼ同じ食感になります。この場合凍り豆腐として販売されているものと同じものになります。

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